歌会の記録:2022年11月26日(土)

歌会コメント

およそ3年ぶりに吟行会を開催しました。9人が参加し、京都水族館・梅小路公園を一通り見て回った後、歌会を行いました。とても楽しい会となりました。

詠草

苔むして山椒魚の籠る霧をいづこいづことかき分けし子ら/依田口孤蓬

「最終的には、ぜんぶ愛だね!」ペンギンも絡まりあった弱いぼくらも/長野響哉

自らを柔らかい生き物と知る海月と海月ぶつかり合えば/武田歩

解凍をされたペンギンたちが飛び、7°かしいで着水をする/依田口孤蓬

群れとしてしか生きられぬイワシにも眠りはあって夢を見ている/真中遥道

巨人らが涙流して水ができその中を泳ぐ魚の感情/依田口孤蓬

純血を穢されし「交雑個体」サンショウウオの苦悶のあゆみ/豆川はつみ

かさついた声で叫んで色褪せるまでの言霊として紅葉は/武田歩

くれまどふ陽光たちを吸ひ込みて紅葉は淡く息をしてゐる/依田口孤蓬

クロロフィル退位せし葉の広場には燃ゆる火ながるる血! きれい/豆川はつみ
会員限定詠草があります)
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