歌会の記録:2023年5月10日(水)

歌会コメント

涼しげな初夏の夜、16名で二つのグループに分かれて対面歌会を行いました。新入会員の参加も多く、新しい顔ぶれでの歌会を楽しみました。

詠草

ドラキュラの 渇きに注ぐ 血の味を 貴方の言葉を 舐めつつ想う/雨居奎基

本当にみんなのおかげで生きていて、しぬから舞い上がっていく花びら/逸川カイ

現実を諦めないと決めたのに滑走路には言葉のにおい/布野割歩

「ナンセンス!」くうき貫く熊野寮 ショパンの10-12きこえかける/たうよしいりも

爽やかな風の流れる喫茶にもシナモン落ちるほどの重力/武田歩

春は逃げ去った、わたしを振り切って。シロノワールははやくも溶ける/長野響哉

生活の授業で育てたプチトマト持ち帰るための手だったはすだ/三上麦

目薬があぁいまおちるいまおちる
願い届かずあぁ流れ星/千百十番

もう会わない人や聴かない音楽が私を夜に縫いとめたきり/上河躑躅
会員限定詠草があります)
  • このページに掲載の歌稿は、作者の許可のもとで掲載しています。
  • 転載などを希望される場合には、京大短歌会のメールアドレスあるいは「お問い合わせ」より連絡ください。作者の意向を確認し、その都度対応を決定してご返信いたします。