歌会の記録:2000年9月26日(火)

歌会コメント

歌会 参加者数7名
今日は少なかったぞ。めずらしく全員2首歌会と相成りました。
次回は参加者激増の予感。

詠草

2000. 9/26 歌稿

01 日の丸を密かに蔵め櫃を閉じ日暮れ蜩なけばひもじき  松島綾子

02 ねらいすまして構える髪うすきフルーティストあなたは誰を好きなの  水野ふみ

03 どかどかと踵が熱し悔恨をアルデバランに放って来れば  澤村斉美

04 暗闇に大河呼び出す一筋の灰いつしかに流れ来たりぬ  森雅紀

05 石垣は背にごつごつとあたりおり詩の一音を重ねつつ詩は  西之原一貴

06 昼すぎのクレーン静かな坂上に少女は車輪をゆらして走る  田中克尚

07 何もない 乾いた衣服を身につけて秋の雨降る町へ出てゆく  水野ふみ

08 ふたたびの夏はたとえば寝転んでマンタの海を抱きとりに、行こ  澤村斉美

09 わたくしを孕める母の体重を越えきし何を産むこともなく  松島綾子

10 ままよ肉まん捨てて購ふピザまんに感謝の嵐コンビニを出る  森雅紀

11 あきらめのあとのようなる静けさの古いタオルで拭う爪先  西之原一貴

12 はじめには空のめだった書架たちにビニル纏える本の数千  田中克尚

13 茜さす湖水となれる大通りついえた先は叢だった  杉美和

14 言ひさしのままにさよなら噛みゆけば口腔青。藍。紺に染まれり  杉美和
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