2019年5月『京大短歌』25号が完成しました

歌会のお知らせ

☆6月の歌会日程をお知らせします。
場所は基本的に西部課外活動棟を予定しております。

7月 6日(土)13:00〜
7月28日(日)13:00〜

 毎月最終週日曜には定例歌会が開催されます。参加されたい方は下記の「お問い合わせ」まで、ご一報ください。返信までは2〜3日を要する場合がありますので、早めのご連絡をよろしくお願いいたします。
*連作歌会とは有志が連作を持ちより、それぞれの連作ごとに批評を行う形式をとります。通常の歌会と形式が異なることにご注意ください。


「歌会の記録」より過去の歌会に提出された歌がご覧いただけます。

☆現在京大短歌では新会員を募集しています。
大学生・大学院生・短大生・専門学校生であれば大学・学年・年齢・経験問わずどなたでも入会できます。現役会員に声をかけてください。

興味をもたれましたら本ページ下部の「お問い合わせ」よりご連絡ください。
歌会の場所、形式などの質問も気軽にどうぞ。

歌会への参加も可です。見学も可能です。

会員誌『京大短歌』25号

京大短歌 25号

『京大短歌』25号が完成しました。 現役会員14名とOB・OGを合わせた27名の作品を掲載。特集として「酒蔵歌会」と、「往復書簡『食べ物×物語』」を収めた110ページの一冊です。 通販をご希望の方は「お問い合わせ」ページに記されたメールアドレス、あるいはフォームにてご一報ください。

お問い合わせ

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一首評〈第123回〉

あなたからあなたの腕は生えていて途切れつつ剥くりんごの皮を
はたえり 「交差点」『塔』七月号

 本歌は『塔』七月号に掲載されている第九回塔新人賞候補作「交差点」の一首である。
「あなた」という二人称で示されている人物が相聞相手であるかどうかはその歌によると思うが、私はこの歌における「あなた」を相聞相手であると解釈した。
まず、上の句「あなたからあなたの腕は生えていて」という身体の把握が魅力的である。
作者は、「あなたの腕」はあくまで「あなた」という本体から生えている付属品であると把握しているのだろうか。そうであるとすれば、この歌においては、腕を除いた「あなた」と、「あなたの腕」という肉体とを分けて解釈する必要がある。
 腕を除いた「あなた」に注目するとき、そこには「あなた」という存在そのものに対する愛情が感じられる。腕を除いた「あなた」には、ミロのヴィーナスやトルソーのような、一種の彫刻的な美しさが含まれている。
 また、「あなたの腕」という肉体に注目するとき、そこには人間を身体として捉えることに関する妖艶さが感じられる。作者が触れたり、ないし触れられたりする「あなたの腕」という肉体美が表れている。
 続いて、下句まで読み下すことにより、この歌を相聞歌のみで終わらせない魅力が発揮される。
 第四句目「途切れつつ」は「りんごの皮」にかかっていると解釈した。りんごの皮は「あなたの腕」により途切れ途切れに千切れていく(剥かれていく)のに対して、「あなたの腕」は「あなた」の本体からすらりと伸びて指の先まで完全無欠な形で存在する。このような対比構造がとても鮮やかで美しい。
 そして第五句目「りんごの皮を」という形で歌を締めくくることにより、倒置法によるインパクトはもちろんのこと、「あなた」という生物から「りんごの皮」という無生物へと帰着している。身体という即物的な容れ物から始まり、りんごの皮という空っぽで無機質な脱け殻で終わる。そこがこの歌の魅力を一層引き立てている。
 この歌一首で表されている事実は、あくまで「あなたがりんごを剥いている」ということだけにすぎない。しかし、読めば読むほど、身体的把握や、生物と無生物の対比による魅力が感じられる。非常に巧みな一首である。

西川すみれ (2019年7月16日(火))

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