歌会の記録:2000年11月7日(火)

歌会コメント

歌会 参加者数9名

詠草

01 おでん種色薄くしてまだ未熟ローソン店主と頷きて去る  仲町六絵

02 稚児の頬膨らましたり紙風船弾みし音も吹き込ませるか  本間政衡

03 帰ろうかさか上がりして両肩にほこりがだいぶたまってきたから  金田光世

04 雨傘の赤い柄に頼るように行く幌馬車幌馬車帰れない日に  澤村斉美

05 ずんべらの夜の巷を歩ききていつしかに耳殻の先に麦星  水野ふみ

06 心身が砕け落ちても変わらない 古い蛇口はよく締まらない  井上リリー

07 8月を破りそこねて岩肌に青空垂れてくるカレンダー  仲町六絵

08 眠りいる胸大時化に一本の乱るる糸を吐く心電図  森雅紀

09 髪の毛の抜けぬ日はなし柘植の櫛ずいずい吾を立て直しゆく  澤村斉美

10 アンチョビを乗せて食べます人生は喜怒哀哀楽怒涛の最中  井上リリー
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