歌会の記録:2010年10月31日(日)

歌会コメント

歌会 参加者7名。
雨の日の歌会が続いています。
通常歌会後に題詠「輪」など、盛りだくさん。
勉強会は大森担当で連作「ほたる放生」(大口玲子)を読みました。
巴長春(ともえ ながはる)さん初参加。ありがとうございます。

詠草

(公開歌稿)
晩年の長さと秋の短さとロバート・デ・二ーロ逆立ちをせり  大森静佳

まるでそこから浮かび上がっているようなお菓子のそれでこそビスケット  土岐友浩

(題詠「輪」公開歌稿)

名づけとは果てなきものを書架たちの輪唱はふと途切れてしまう  笠木拓

月夜あのアラビア数字は輪をなしてただ時のみが輪をなさぬもの  大森静佳

風船が飛び交う空に黙々と指輪を成して上がる白雲  廣野翔一

胸元のリングをなぞるその指に似せたるような灰色の空  巴長春

年輪を数ふ幼い指先で他に流れる時間もあらず  小林朗人

だれだってさびしいのかな トイレットペーパーの輪を一心に引く  藪内亮輔

振り出しに戻るところで上がりへと色とりどりの輪ゴムを飛ばす  土岐友浩
会員限定詠草があります)
  • このページに掲載の歌稿は、作者の許可のもとで掲載しています。
  • このページに掲載の歌稿は、通常の歌会等における詠草と同じ権利のもと「一切の短歌メディアに対して未発表扱い」です。ご注意ください。
  • 転載などを希望される場合には、京大短歌会のメールアドレスあるいは「お問い合わせ」より連絡ください。作者の意向を確認し、その都度対応を決定してご返信いたします。