歌会の記録:2023年2月20日(月)
歌会コメント
追い出し歌会を行いました。金山仁美さん、城戸真色さん、山根千穂さん、小木曽さんがこの春卒業されることになります。会員からは20首の詠草が集まりました。
ご卒業おめでとうございます。
ご卒業おめでとうございます。
詠草
【会員から】
返りては寄するさざ波そのごとに何回目かの卒業を今、(依田口孤蓬・卒業生へ)
君の手を溢れてく白詰草が廃墟に紋黄蝶たちを呼ぶ(今紺しだ・小木曽さんへ)
あなたとの神話にエブリシングイズグッドと記す八分音符で(今紺しだ・金山さんへ)
地上から4センチ、いや3センチ持ち上げられて広がる思い(武田歩・城戸さんへ)
重いもの背負い続けて休むとき自転車は駐輪場に止める(武田歩・金山さんへ)
頬張っても溢れる言葉の多くありどこかでできた傷あとを見る(武田歩・小木曽さんへ)
無音だけ聴きたくなってひたすらに見る夜の海、そしてその先(武田歩・山根さんへ)
言の葉の束を抱えてゆく道の先で会いたい旅立てば春(齊藤ゆずか・卒業生へ)
瞬ける星の光の中心に陽だまりをもつあこがれるひと(齊藤ゆずか・金山さんへ)
ご自宅にお邪魔したとき玄関の扉でにかっとしてたケロちゃん(渡辺理香・金山さんへ)
おひるねのあとの輪郭はっきりとさせるため塗る藍のマニキュア(渡辺理香・城戸さんへ)
卵白をふわっと立ててシフォンコサージュあなたの晴れの髪に飾ろう(渡辺理香・小木曽さんへ)
僕の知る前から京大短歌には夜も地球を回す太陽(真中遥道・金山さんへ)
カレンダーの日々を飛び越え春の陽の中へ電車よ穏やかに行け(真中遥道・城戸さんへ)
チェンソーマンダンスを分かるあなたには響き止まぬ音(ね)千ほどもあれ(真中遥道・山根さんへ)
Wi-Fi の弱い部屋から祖母の語る昔話のような相聞(真中遥道・小木曽さんへ)
こそばゆい先輩からのですます調意気揚々と歌会に行く(小野りた・金山さんへ)
偶然におそろいだったワンピースのリボンを結ぶ「お元気ですか?」(小野りた・城戸さんへ)
ねこ、毛糸、紅茶の入ったティーカップイメージを超えた君を知りたい(小野りた・小木曽さんへ)
【城戸真色さんから】
はるばると来た日々洗濯機カバーを外して次の岸へと送る
ましかくの部屋で暮らした年月(としつき)よ 壁が取れても波打ってくれ
方舟の止め方 ひとつひとつを片付けてたら看取りのようで
昼満ちて諦めてても生きていく 起きるわたしは今後もえのぐ
【山根千穂さんから】
暑い日も短歌を日傘に差しながら歩ける君はそこへ辿り着く(京大短歌へ)
もしここであかりが消えてしまってもルシフェラーゼを君は持ってる(武田くんへ)
図書館の窓から見える青空は君の青眼(せいがん)にやはり似ている(真中くんへ)
君が乗るサドルが高い自転車が風になったら光る向日葵(小野さんへ)
【小木曽さんから】
目の端に揺れるまっすぐなたんぽぽに憧れという名の恋をした(小野さんへ)
レモンティー一気飲みしてはつなつを歩んでゆく背は白くて遠い(武田くんへ)
気ままさと柔軟性の言の葉を紡いで繋ぐ春の夕暮れ(真中くんへ)
秋の海に音の欠片をこぼしては何杯目かのお酒をそそぐ(渡辺さんへ)
ものごとは芯があるから美しい秋の光は首をくすぐる(金山さんへ)
澄みきった水に絵の具を落としてく眼鏡で覗く景色の形(城戸さんへ)
瞬きをするたびずれてゆく今に息を一秒止めて息を吐く
【金山仁美さんから】
覚悟したほど短くはない時間坂が多くて風のない町
がんばってたまにがんばらなくなっていろんな花がゆれているうた
*
一度だけすれちがった風みたいに横断歩道を口笛ふいて(君のつくる歌はある意味で歌の理想だと思うので、ぜひ自分を貫いていてください)
ほがらかの言葉がにあういつだって幸せそうに食べている君(たくさんお話しして、たくさん食事にいきましたね、ありがとうございます)
思ってたより純粋な恋をして恥じらうけれど梅酒はロック(すごくしっかりしていて芯のある人だと思っています、留学がんばって)
歌会に気づけばいつも君はいてがんばってるなすごいなと思う(思ったことを素直に歌にしてしまいました、京大短歌を守ってくれてありがとうございます)
会うたびに実家のような心地して今日のビールはバドワイザーかな(もっとたくさんいろんなことをしたかったです、いつか歌集評を書きますね)
*
きみの立つ鴨川橋に花が降るここまでもここからも流れて(ここにいる人、いない人、私を知っている人、知らない人、すべての人へ)
返りては寄するさざ波そのごとに何回目かの卒業を今、(依田口孤蓬・卒業生へ)
君の手を溢れてく白詰草が廃墟に紋黄蝶たちを呼ぶ(今紺しだ・小木曽さんへ)
あなたとの神話にエブリシングイズグッドと記す八分音符で(今紺しだ・金山さんへ)
地上から4センチ、いや3センチ持ち上げられて広がる思い(武田歩・城戸さんへ)
重いもの背負い続けて休むとき自転車は駐輪場に止める(武田歩・金山さんへ)
頬張っても溢れる言葉の多くありどこかでできた傷あとを見る(武田歩・小木曽さんへ)
無音だけ聴きたくなってひたすらに見る夜の海、そしてその先(武田歩・山根さんへ)
言の葉の束を抱えてゆく道の先で会いたい旅立てば春(齊藤ゆずか・卒業生へ)
瞬ける星の光の中心に陽だまりをもつあこがれるひと(齊藤ゆずか・金山さんへ)
ご自宅にお邪魔したとき玄関の扉でにかっとしてたケロちゃん(渡辺理香・金山さんへ)
おひるねのあとの輪郭はっきりとさせるため塗る藍のマニキュア(渡辺理香・城戸さんへ)
卵白をふわっと立ててシフォンコサージュあなたの晴れの髪に飾ろう(渡辺理香・小木曽さんへ)
僕の知る前から京大短歌には夜も地球を回す太陽(真中遥道・金山さんへ)
カレンダーの日々を飛び越え春の陽の中へ電車よ穏やかに行け(真中遥道・城戸さんへ)
チェンソーマンダンスを分かるあなたには響き止まぬ音(ね)千ほどもあれ(真中遥道・山根さんへ)
Wi-Fi の弱い部屋から祖母の語る昔話のような相聞(真中遥道・小木曽さんへ)
こそばゆい先輩からのですます調意気揚々と歌会に行く(小野りた・金山さんへ)
偶然におそろいだったワンピースのリボンを結ぶ「お元気ですか?」(小野りた・城戸さんへ)
ねこ、毛糸、紅茶の入ったティーカップイメージを超えた君を知りたい(小野りた・小木曽さんへ)
【城戸真色さんから】
はるばると来た日々洗濯機カバーを外して次の岸へと送る
ましかくの部屋で暮らした年月(としつき)よ 壁が取れても波打ってくれ
方舟の止め方 ひとつひとつを片付けてたら看取りのようで
昼満ちて諦めてても生きていく 起きるわたしは今後もえのぐ
【山根千穂さんから】
暑い日も短歌を日傘に差しながら歩ける君はそこへ辿り着く(京大短歌へ)
もしここであかりが消えてしまってもルシフェラーゼを君は持ってる(武田くんへ)
図書館の窓から見える青空は君の青眼(せいがん)にやはり似ている(真中くんへ)
君が乗るサドルが高い自転車が風になったら光る向日葵(小野さんへ)
【小木曽さんから】
目の端に揺れるまっすぐなたんぽぽに憧れという名の恋をした(小野さんへ)
レモンティー一気飲みしてはつなつを歩んでゆく背は白くて遠い(武田くんへ)
気ままさと柔軟性の言の葉を紡いで繋ぐ春の夕暮れ(真中くんへ)
秋の海に音の欠片をこぼしては何杯目かのお酒をそそぐ(渡辺さんへ)
ものごとは芯があるから美しい秋の光は首をくすぐる(金山さんへ)
澄みきった水に絵の具を落としてく眼鏡で覗く景色の形(城戸さんへ)
瞬きをするたびずれてゆく今に息を一秒止めて息を吐く
【金山仁美さんから】
覚悟したほど短くはない時間坂が多くて風のない町
がんばってたまにがんばらなくなっていろんな花がゆれているうた
*
一度だけすれちがった風みたいに横断歩道を口笛ふいて(君のつくる歌はある意味で歌の理想だと思うので、ぜひ自分を貫いていてください)
ほがらかの言葉がにあういつだって幸せそうに食べている君(たくさんお話しして、たくさん食事にいきましたね、ありがとうございます)
思ってたより純粋な恋をして恥じらうけれど梅酒はロック(すごくしっかりしていて芯のある人だと思っています、留学がんばって)
歌会に気づけばいつも君はいてがんばってるなすごいなと思う(思ったことを素直に歌にしてしまいました、京大短歌を守ってくれてありがとうございます)
会うたびに実家のような心地して今日のビールはバドワイザーかな(もっとたくさんいろんなことをしたかったです、いつか歌集評を書きますね)
*
きみの立つ鴨川橋に花が降るここまでもここからも流れて(ここにいる人、いない人、私を知っている人、知らない人、すべての人へ)
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